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STaD×聖隷佐倉市民病院「放射線機器の技術は日々進化しています」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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CT検査装置

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MRI検査装置

STaD×聖隷佐倉市民病院「放射線機器の技術は日々進化しています」

2023/01/30

◆CT検査とMRI検査の違いとは?ーーーーーーーーーーーーーー
 テレビなどで挙げられているCT検査とMRI検査にはどのような違いがあるかご存じですか。どちらも大きな筒の中で寝た状態で行う検査で装置の見た目が非常に似ているため、その違いがわかりにくいと思います。今回は、CT検査とMRI検査の違いについてご紹介します。
●CT検査とは(Computed Tomography:コンピュータ断層診断装置)の略で、X線を利用しています。
●MRI検査とは(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)の略で、強い磁石と電波を利用しています。
 どちらも体の断面を描写する検査です。各々に特徴があり、発見できる疾患が異なります。

【CT検査】
特徴 ・放射線(X線)を利用した検査
検査時間 ・検査時間が短い(例:頭部 5分程度)*1
長所 ・騒音、閉塞感が少ない
   ・骨、肺などの組織が描出される
   ・体内に金属が入っていても撮影できる
短所 ・放射線による被ばくがある
   ・MRIに比べ、筋肉など軟部組織の情報が得にくい
   ・検査中の体の動きに大きく影響を受け、ぼけやすい
   ・骨に囲まれている部位はアーチファクト*2が出やすい
*1 当院の一例であり、施設や撮影する部位によって時間が異なります。
*2 アーチファクトとは、画像を撮影する上で悪い影響を与える要因のこと。

【MRI検査】 
特徴 ・磁場と電波を利用した検査
検査時間 ・検査時間が長い。(例:頭部 30分程度)*1
長所 ・放射線による被ばくがない
   ・筋肉や靭帯、神経など組織が描出される
短所 ・大きな音が発生し、閉塞感がある
   ・CTに比べ、骨など石灰化層の情報が得にくい
   ・検査中の体の動きに大きく影響を受け、ぼけやすい
   ・磁気に反応する金属などが体内にある場合、検査を受けられないことがある

CT検査は、空気や石灰化の描写が得意な検査です。特に心臓やその周りにある肺、血管の石灰化の診断に有用とされています。
MRI検査は、頭部(脳動脈・脳実質)の検査や脊椎、四肢などの組織描写を得意としております。
 それぞれの検査で得意・不得意があるため、どちらが優れているということはありません。どちらの検査が最適であるかは、部位や症状・病状・既往などを考慮し、医師の判断にて決定しています。患者さんに合わせた最適な検査を選択しています。


◆最新のCT検査装置の特徴 ーーーーーーーーーーーーーー
 当院では、最先端の機能が多数搭載されているCT検査装置を設置しています。
★AI(人工知能)を搭載
 AIの技術により画質が向上し、病変が見やすくなることが期待されています。また、画質を低下させることなく被ばくの低減が可能です。
★体内金属による画質への影響を低減
 画質の低下を防ぐ技術を搭載しているため、体内に金属がある場合でも、画質低下を招くことなく検査が可能です。


◆画質の向上・被ばくの低減 ーーーーーーーーーーーーーー
 AIを用いて撮影した画像(右)では、従来の技術の画像(左)と比較して組織と組織の境界が明瞭になっていることがわかります。
 従来の技術では、はっきりと確認できなかった画像もAIの技術を用いて撮影すると同じ放射線量でも画質の低下を防ぐことが可能となります。画像の質を担保することができるようになり、診断もスムーズになります。  
 また、造影剤を必要とする検査も造影剤の使用量を少なくすることも可能です。放射線量を減らしても画質が低下しないため、被ばくの低減ができるようになり、体への負担を最小限にすることができます。

 放射線科では、現在は主に病院での精密検査にAIを用いた技術を使用し、骨や血管の3D画像の作成時間の短縮など患者さんがスムーズに診療を受けることができるよう日々検査を行っています。今後は、小児の撮影や肺がんドックなど適応の範囲を広げていきたいと思っています。  
 皆さんが安心・安全に検査を受けられるよう、今後も努めて参ります。

放射線科 防護委員会